朝採れ野菜に長蛇の列! 常連が待ち望む「やさい劇場」


プレイグラフさま19年9月号より転載
常連客の行列が絶えない「やさい劇場」
いうまでもないことだが、“負け客”がいるから成り立つのが、ホール業。
パチスロで流動客を呼ぶことばかりに目が行きがちだが、ホールの基礎を支えてくれているのは常連客。
この層に、日ごろの「恩返し」をしてはいかがだろうか?
「パチンコは負けたけど、新鮮な野菜が安く手に入ったから、良しとするか」
そう常連客に呟かせるのが、野菜や果物の即売会「道の劇・くだもの&やさい劇場」(以下、やさ
い劇場)だ。
大玉のたこ焼き(6個150円)でおなじみの「やたい劇場」を運営する劇場グループのもう一つの主力商材。
果物や野菜、玉子を50〜200円程度で販売するもので、ときには、スイカ(500円)やメロン(300円)といった目玉商品も。
FC企業として東北エリアを担当するウッディズでは、昨年4月から「やさい劇場」を出店。
宮城はもちろん、岩手、秋田、青森と順調に数を伸ばし、現在は月間30開催に及んでいるとか。
ウッディズの林義信社長は、こう語る。
「ホールの常連さまに響くんです。
店内で実施することが多いのですが、開催前に行列ができるので、にぎわい感がお客さまに伝わっていきます。『次は、いつ来るの?』『もっと回数を増やして』と、ホールのスタッフも言われるので、専用のポスターを用意したり、会話のネタにしてくださったり。
いい相乗効果が生まれて、常連さまに喜んでもらっているのが現状です」
一度、開催すると、「80%を超えるホールがリピートしてくれる」のは、「やさい劇場」への評
価の証しだろう。
常連客の行列が絶えない秘密は、仕入先にある。ウッディズでは、ある道の駅の事業者と提携。
道の駅でよく見かける、あの“朝採れ野菜”が並ぶのだ。
「ただ安いだけでは、ホールのお客さまは納得してくれません。“驚き”があるから、次も来ていただけるのです」
加えて、強調するのが、「ただ売るだけではない」ということ。
遊技機販社も経営している林社長。
集客に苦労しているホールの気持ち、常連客に対するホールの思いは、常日ごろから感じている。
「ですので、接客には力を入れています。
『もうちょっと寝かせてから食べた方がいいですよ』とアドバイスしたり、『ところてんを扱ってほしい』といったお客さまの要望をきいたり。
お客さまに喜んでもらって、ホールさまの営業をサポートするのが、われわれの仕事ですから」
負け客の損した気分を和らげてくれる「やさい劇場」。
品質から接客まで、常連客への“おもてなしの気持ち”を形にしているところが、人気のゆえんといえそうだ。
プレイグラフさま19年9月号より転載